「経理って難しそう」「簿記の資格がないとできないのでは…」と不安に感じていませんか?
でも大丈夫。実は簿記を持っていなくても、経理の仕事は始められるんです。
実際に私も、人事異動で未経験で経理の仕事につきましたが、当初は簿記の知識をもたなかったにもかかわらず業務をこなせていました。
この記事では、経理初心者の方が感じがちな疑問や不安を解消しながら、現場で役立つ知識をわかりやすく紹介しています。

この記事で解決できること
- 簿記なしでも経理の仕事はできる?
- 経理実務で簿記はどう役立つの?
- 初心者は簿記資格を取る方が良い?
経理未経験でも大丈夫。この記事を読めば、明日からの仕事に少し自信が持てるはずです。
※「すぐに簿記を持たなくても経理業務ができる理由について知りたい!」という方は、こちらからどうぞ!
経理の仕事とは

会社運営において、経理業務は会社の財務状態を把握し管理するのに欠かせないものです。
「経理」と聞くと、お金関連のことは難しそうという印象を持ったり、とくに「簿記」が分らないとできないのではないかと不安に思う方もいるでしょう。でも実際は、簿記を持っていなくても経理の仕事は始められます。
というのも、経理の基本的な業務は、決まった手順で進められるルーティンワークが中心だからです。
毎日行う作業の例
・現金や銀行口座の入出金管理
・請求書や領収書の処理
・社内経費の精算
このような経理業務は、だいたいマニュアルに沿って進められます。分らない事があれば、過去のデータを見ながらできることも多いです。
経理の現場に入れば、簿記の知識がなくても少しずつ覚えていけるので焦る必要はありません。
経理業務と簿記はどういう関係?
簿記は経理業務の“ツール”’道具”です。簿記は取り引き内容を体系的に記録できるので、会社のお金の動きについて正確な情報を提供できます。
簿記を使うと以下のような良いことがあります。
簿記の重要な機能3つ
簿記には、経理を支える上で大切な3つの基本機能があります。それが「記録」「整理」「報告」です。 この3つの機能で、経理業務はスムーズに回ります。
記録
まずは、すべての取引を日付と金額、内容をセットで記録します。
たとえば「6月10日、文房具を3,000円購入」などです。これが「経理の第一歩」と言える作業です。
整理
記録されたデータは、科目ごとに分類されていきます。
「売上」「経費」「交通費」など、分かりやすく整理することで、あとで見返すときに便利です。
報告
整理されたデータをもとに、お金に関する出来事をまとめて報告します。
これにより、会社の「今の経済状況」が明確になります。
簿記を持ってなくても経理業務ができる理由5つ
先にも言いましたが、簿記を持っていなくても経理の仕事は十分にこなせます。
なぜなら、経理業務は決まった流れの中で行われるルーティンワークが中心なので、実際に業務をすることで身につけていけるからです。
以下に初心者でも安心して経理に取り組める5つの理由を紹介します。
簿記を持ってなくてもできる理由
実務経験の方が重要
資格よりも「経験」が評価される職場は多いです。
理由は、実際に会社で行われる経理業務が、それぞれの企業ごとに細かな違いがあるからです。
このような現場では、簿記の知識だけでなく、実務経験者が重宝がられます。

資格を持っていても、経験無しだと即戦力にならない。
会計ソフトを使用するのが一般的
最近の経理業務では、会計ソフトを使うのが当たり前になっています。そのため、簿記の資格がなくても、基本的なPC操作ができれば、苦手意識をもたずに仕事に慣れることができます。
会計ソフトを使えば、仕訳や勘定科目の設定も…
- ソフトの案内に従って入力するだけ
- 自動で仕訳を処理してくれる機能あり
- 間違いがあればエラー表示が出る

会計ソフトの使い方を覚えて、経理業務をスムーズに回しましょう。
チームで業務を遂行できる
少数精鋭の会社でないかぎり、経理業務を一人で行うということはありません。チームで協力しながら進める職場がほとんどです。
- わからないことがあればすぐに質問できる
- マニュアルや前任者のデータを共有できる
- チャットや内線で先輩にすぐ相談できる

「一人で全部を完璧にできないとダメ」なんていう心配は不要です。
1日、1ヶ月、1年単位の繰り返し業務で覚えやすい
経理業務には、定型的なルーティンワークが多いので、繰り返し行うことで、自然と仕事を覚えられます。

最初は簡単な仕事からスタートして、段階的にスキルアップできます。
経理以外の雑用や単純作業も業務の一部
経理といっても会社組織の1部署です。経理に特化した仕事(一日中、会計ソフトと向き合っているなど)だけではありません。
日常の業務には次のような雑務も含まれます。
・電話応対や来客対応
・郵便物の仕分けや配布
・書類のコピーやファイリング
こうした経理の仕事以外の雑用や業務も含めて会社の経理の業務です。

そう、電話もとるし、来客対応もするんです。
簿記の資格を持たないデメリット5つ

ここまで「経理の仕事は簿記を持っていなくてもできる」のであまり心配はいらないとお伝えしましたが、簿記の資格を持っていないことで、後々困る場面があるのも事実です。
ここでは、経理初心者が知っておくべき「簿記を持っていないことによる5つのデメリット」について、具体的に解説していきます。
簿記を持たないデメリット5つ
仕事内容が理解できない
経理の仕事は、単に数字を入力するだけではなく、なぜその処理をするのかを理解して進めることが大切です。
例えば、伝票の起票や仕訳作業には、簿記の考え方が深く関わっています。知識がないままマニュアル通りに経理ソフトに入力する作業だけをこなしていると…
- 「どうしてこの勘定科目を使うのか?」が分からない
- エラーが出た時に原因が見えない
- 応用的な処理に対応できない
といった問題が起こりがちです。
簿記の知識があると、業務全体の流れや意味を理解できるようになり、仕事の精度も自然と上がります。

私は毎回、意味も分らず処理することにストレスを感じたため、簿記3級を取ろうと思いました。
専門性のある仕事を担当させてもらえない
簿記を知らないと、経理の中でも比較的簡単な業務しかさせてもらえない可能性があります。
領収書の整理、請求書の発行やデータ入力など、いわゆる“補助的”な業務にとどまってしまいがちです。
一方、決算処理や連結会計といった高度な業務を任されるには、簿記の知識が必要不可欠です。
ミスをしても気づきにくい
経理ソフトを使っていると、一見すべてが自動で処理されて安心に見えます。しかし、入力ミスや設定ミスは、人が犯すことです。
いち早く間違いに気づくには、その処理の内容をを理解していることが重要です。簿記を知っていれば、違和感にすぐ気づくわけですね。
経理上の情報交換が難しい
経理の現場では専門用語が飛び交います。簿記の知識がないと、話の内容が理解できずに会話がかみ合わないという場面も出てきます。
少なくとも基本的な簿記知識があれば、対応できる問題です。
昇進・転職で不利になる可能性がある
経理でスキルアップや転職を目指すなら、簿記資格がある方が有利になる。
例えば、
- 昇進や昇給の条件に「簿記2級以上」が設定されている企業もある
- 求人票に「簿記必須」と明記されているケースが多い
- 面接で「資格がない理由」を問われる可能性も
特に転職の際は、「経理 簿記 持ってない」となると書類選考すら通らないこともあり得ます。
簿記の資格を持つメリット3つ

簿記は即実務に生かせる資格です。
また長期的に経理として成長したいのであれば、簿記資格は大きな武器になります。ここでは、簿記の資格を持つことで得られる具体的なメリットを解説します。
簿記を持つメリット3つ
業務の理解度が上がる
簿記資格を取得することで、経理の基礎となる会計の知識を体系的に学ぶことができます。
簿記を学ぶと、業務の内容が理解できます。なぜなら経理の基礎知識を体系的に学ぶので、基本的な仕分けや決算書の見方などを習得できるからです。
理解を深めることで、仕事への自信も高まるというわけです。
職場で信頼される
簿記の資格があると、「この人は基本が分かっている」という安心感を持たれやすくなるので、スムーズに情報交換ができます。
昇進や転職で強みになる
簿記資格は、経理業務のスキルを証明できる数少ない公的資格のひとつです。
実際に「簿記の取得」は、転職市場ではもちろん、社内での昇進・昇給の要件にもなっている企業もあります。
経理の仕事につく経緯で違う簿記の必要性
経理の仕事に就く経緯によって、簿記の必要性は変わってきます。
以下では、人事異動・新卒・転職のパターン別に、分かりやすく解説します。
人事異動・新卒
人事異動または新卒で経理に配属された人は、急に航海に出された船員のようなもの。
ある日突然、「明日から海に出て操縦よろしく」と言われたら驚きますよね。未経験なら途方に暮れるでしょう。
経理への異動も同じです。聞き慣れない専門用語が飛び交い、最初は右も左もわかりません。
そこで必要になるのが「簿記」という羅針盤です。
基礎知識がないままでは、船の向きも現在地もわからず、ただ漂うばかり。
逆に、簿記の基礎があれば、「なぜこの数字が必要なのか」「どういう処理をしているのか」が分って安心です。

数字や処理の意味が分ると、意欲的に取り組みやすくなりますよ。それに、新卒こそ、簿記を学ぶチャンスじゃないでしょうか。
転職
転職で経理に入る人は、新しいチームに途中参加する助っ人選手のようなものです。
チームのルールも流れも決まっていて、自分だけがそれを把握していない。
「この勘定科目、なぜ使うの?」「うちの会社の処理方法って特殊なのかな?」と戸惑いがちです。
でも簿記資格を持っていれば、基本ルールを理解しているので、新しい環境にも柔軟に対応できます。
実務経験という試合勘がある助っ人選手として、すぐに活躍できる可能性も高まります。

簿記は“共通語”。持っているだけで即戦力と評価されやすくなります!
簿記資格なら、まずは3級から!

もし簿記の資格を一つも持たずに、不安な状態で日々の経理業務をこなしていたり、経理で成長したいなら、 日商簿記3級の取得がおすすめです。
おすすめする理由は4つ
経理業務の基礎が身につく
実際の経理業務と深く関わっているので、仕訳や勘定科目、貸借の概念など、日々の仕事に直結する知識が体系的に学べます。
教えてもらいやすく、成長も早くなる
教えてもらった内容がスムーズに頭に入るようになるので、成長のスピードもアップします。教える側の手間も減って、頼もしく思われます。
上位級を目指すために基礎を固める
2級や1級は3級の知識がある前提で作られているので、もし3級の基礎が不十分なまま2級に進もうとすると、途中で挫折する可能性が高くなります。

本当に基本なんですよ。
働きながらでも取りやすい
簿記3級は、受験料が比較的安く、テキストや動画講座、スマホアプリなども充実していて独学でも対策しやすい資格です。
日商簿記3級
・受験料:3,300円(税込)
・試験時間:60分
・合格率:40〜50%前後(年度によって変動)
経理の仕事は、簿記なしでも始められるが、簿記があると心強い
経理の仕事はマニュアル化された繰り返し業務が多く、未経験でも取り組みやすいのが特徴です。
最近は会計ソフトの使用や、大きな会社ではチームでの業務遂行が一般的になっていて、簿記の資格がないことは仕事を始める上でネックにはなりません。
とはいえ簿記を知っていることで得られる快適さと強みは魅力的です。実務をより深く理解し、ステップアップや転職で有利になるためには、簿記の知識が大きな武器になります。
簿記をもっていると良いこと
- 実務を通じてスキルは身につけられる
- 簿記の知識があると内容を理解しながら快適に業務遂行できる
- 資格取得は将来の選択肢を広げる
未経験でも不安にならず、一歩ずつ経験を重ねながら、**必要に応じて簿記の学習も進めていきましょう。