この記事で解決できること
- 経理にAI導入で実際になくなる業務・なくならない業務が知りたい。
- 経理の現場でのAIの具体的な使い方はどういうのがある?
- AI時代でも活躍し続けるためにはどうすればいい?
こんな悩みを解決します。
日商簿記3級、経理・契約5年、給与・社保5年のよんちゃわんが説明いたします。
「AIが導入されたら、経理の仕事ってなくなるの?」そんな不安を抱えていませんか?
経理初心者にとって、AIという言葉はどこか怖く聞こえますよね。
でも正しく理解すれば、怖くありません。
実際に経理の現場で起きていることを考えると、むしろAIが入ることで現在抱えている不便さが解消され、経理職員の負担が減ることを期待してしまいます。
読み終わる頃には、「AIと一緒にうまく働いていけそう」と思えますよ。
記事前半では「AI導入で経理業務はなくなるか」について、後半では「AI経理で働き続けるのに必要なもの」について解説しています。
AI導入で経理業務はなくなる?

「AIが入ったら、経理の仕事ってなくなるの?」と心配している方は多いと思います。
結論から言うと、経理の仕事がすべてなくなることはありません。
でも変化は確実に起きています。
実は経理は、「AIに取って代わられやすい職種」として名前が挙げられています。
2024年の内閣府の白書では、将来的にAI導入で影響が大きく、代替性が高い職種例として、「経理事務」が報告されています。
ちょっと不安にはなりますけど、ポイントは「すべての業務がなくなるわけではない」という点です。
AIが得意なのは、毎回同じルールで繰り返すルーチン作業です。
一方で、イレギュラーな対応や判断が必要な業務は、引き続き人間の仕事として残ります。
AI導入でなくなる業務となくならない業務

AIにできることとできないことを知れば、「なくなる業務」と「なくならない業務」がはっきり見えてきます。
それぞれ具体的に確認していきましょう。
なくなる業務
AIが得意なのは、毎回同じ手順で行う作業です。
経理の中でも、以下のような業務は自動化が進んでいます。
初心者としては、一番頑張ってやってる業務なんですが。
そう、慣れてしまえば楽な業務からなくなっていくんです。
決まった入力作業
「毎月同じ取引先に同じ金額を支払う」「届いた請求書を会計ソフトに入力する」。
こうした毎回決まった流れで行う作業(=定型業務) は、AIは大得意です。
具体的には、以下のような作業が該当します。
- 会計ソフトへの仕訳入力
- Excelへのデータ転記
- 領収書・請求書のスキャンとデータ化
人間が1時間かけてやっていた入力作業を、AIはわずか数十秒でミスなくこなします。
実際に会計ソフトを導入している会社では、すでにこの自動化が当たり前になってきています。
データ分析
「売上は上がっているのに、なぜか手元のお金が減っている」。
こんな疑問に答えるための数字の集計・比較・分析も、AIは得意です。
会社の収益性や安全性を表す数値を、大量のデータから瞬時に算出できます。
人力なら何時間もかかる作業が、AIなら数秒で完了です。
ただしその結果をどう活かすかは人間の仕事。
つまり経理担当者の仕事です。
この点は後ほど詳しく説明します。
なくならない業務
一方でAIにできないのは、「想定外の事態」や「人との対話」が必要な場面です。
以下の業務は、たとえAIが導入されても経理担当者が扱います。
頭も使って、気も遣う種類の業務ですね。
そーいうところはAIはできないってことです。
通常と違う処理
たとえばこんな場面を想像してみてください。
入金予定額:100万円 → 実際の入金額:120万円
AIはこの差額20万円の理由を自分では判断できません。
過払いなのか、別の請求分が合算されたのか、振込ミスなのか。
状況を読み取って対応するのは、経理担当者の仕事です。
こうしたイレギュラーな処理は、実務では毎月のように発生します。
「マニュアルにない出来事」に対応できるのは経理担当者です。
AIやシステムの保守作業
AIを導入したら終わり、ではありません。
動かし続けるための作業が必要です。
- 導入時の設定・他部署(システム担当など)との連携
- 日々の動作チェック・不具合の確認
- 税制改正があった際のデータ更新
こうした保守作業は、経理担当者の大切な役割のひとつ。
ITが進化するほど、こうした維持管理業務はむしろ増えていくのでは。
税の知識
AIは税務計算を自動でこなせますが、「税の知識を使った判断やアドバイス」はできません。
たとえば「交際費」は、会計上は費用として計上できても、税務上は一部しか認められないケースがあります。
この違いを知っていれば、経営者に「この使い方だと税負担が増えますよ」と事前にアドバイスできます。
税の知識は、頼れる経理担当者としてこれからも必要とされます。
判断・意思決定
AIは「売上が前月比20%減」といった事実を数字で示せます。
しかし、「だからどうするか」を考えるのは人間の仕事です。
- 原因を深掘りして改善策を提案する
- 経営者が「今月の資金繰りが不安」と相談してきたときに即座に答える
日頃から会社の数字に触れている経理担当者だからこそ、こうした場面で力を発揮できます。
AIの具体的な使い方

「AIって結局、経理の仕事でどう使うの?」と思っている方向けに、すぐイメージできる例を3つ紹介します。
エクセルの関数をAIに作ってもらう
「1万円以上の支払いだけを別シートに抜き出したい」。
こんなとき、AIにそのまま文章で頼むだけでOKです。
たとえば、ChatGPTやClaudeにこう入力するだけでOKです。
「Googleスプレッドシートで、B列が10,000円以上の行だけを別シートに自動表示させる関数を教えてください。」
Googleスプレッドシートで、B列が 10,000円以上の行だけを別シートに自動表示するには、FILTER 関数を使うのが最も簡単です。
元データが Sheet1 の A~C列にある場合、別シート(例: 結果)の A1 に次の式を入力します。
=FILTER(Sheet1!A:C, Sheet1!B:B >= 10000)
返ってきた関数をセルに貼り付けるだけで完了です。
今まで手作業でやっていた作業が一瞬で終わりますね。
請求書・領収書の自動データ化
紙の領収書を1枚ずつ手入力する作業も、AIが自動でデータ化してくれます。
スキャンした画像をAIが解析し、金額・日付・取引先名などの項目を自動で抽出して会計システムへ連携します。
すでに会計ソフトにも、この機能が搭載されています。
ただし読み取りミスもあるため、最終確認は人間の目で行うことが大切です。
社内問い合わせの自動対応
たとえば「経費の申請方法は?」といった社内からの質問を、AIが自動で返答してくれます。
チャットボットです。
チャットとロボットを組み合わせたもので、よくある質問に24時間自動で答えてくれます。
繁忙期や担当者不在のときでも対応できるため、経理担当者の負担を大きく減らせます。
まずは「面倒だな」と感じている小さな作業を1つ、AIに任せてみるところから始めてみましょう。
AI経理で働き続けるために必要なスキル2つ

エクセルや会計ソフト、簿記といった基本スキルに加えて、AI時代の経理には新たなスキルやさらに重要になるスキルも求められます。
具体的には2つ紹介します。
AIを使うスキル
経理の現場では、AIが定型業務やルーティン作業をどんどん代替していきます。
だからこそ、AIを「使う側」になれるかどうかが、これからの経理担当者の差になります。
たとえば、こんな場面でAIを使いこなせると強いです。
- 「この請求データを自動で仕訳して」とAIに指示を出せる
- ExcelやGoogleスプレッドシートの関数をAIに作ってもらえる
- 会計ソフトとAIツールを連携させて、入力作業を自動化できる
AIはあくまでツールです。
「何を任せるか」を判断するのは経理担当者の仕事。
AIに適切な指示を出すためには、経理業務そのものをしっかり理解していることが前提になります。
普段から面倒くさいと感じている作業で、ひとつAIを試してみてはどうでしょうか。
コミュニケーション力
AIがルーティン業務をこなしてくれる分、経理担当者には人と関わる場面の比重が増えていきます。
たとえば、こんな場面です。
- AI分析の結果をもとに、経営者へ改善提案を行う
- 他部署から「この数字はどういう意味?」と聞かれたときに、わかりやすく説明する
- 上層部の意図を汲み取りながら、最適な対応を判断する
AIはデータを分析できても、人の気持ちや意図を正確に読み取ることは苦手です。
会社のお金を管理する仕事だからこそ、経理担当者は数字に隠れている「人の最適な判断」を引き出す役割が求められます。
日頃から他部署の人と交流があれば、このスキルを伸ばすことにつながりますよ。
まとめ:AI導入でも経理担当の仕事はある
AI導入で経理の仕事がすべてなくなることはありません。
変わるのは仕事の中身です。
入力作業やデータ分析といった定型業務はAIに任せ、経理担当者は裁量の幅がある業務やイレギュラーな対応に集中していくことになります。
これからの経理担当者に求められるスキルは、基本のスキル(エクセル・会計ソフト・簿記)に次の2つが加わります。
- AIを使うスキル:AIを上手に活用して、業務を効率化する力
- コミュニケーション能力:数字をもとに人と対話し、判断・提案できる力
AIは仕事を奪う存在ではなく、面倒な作業を代わりにやってくれる存在 です。
うまく使いこなせれば、これからの経理で活躍できます。
まずは小さな一歩から、AIを味方につけていきましょう。
以上ここまで読んでいただきありがとうございました。