この記事で解決できること
- 経理の属人化がなぜ問題になるのか知りたい。
- 属人化が起こる原因は何ですか?
- 属人化を防ぐ具体的な方法を知りたい。
こんな悩みを解決します。
日商簿記3級、経理・契約5年、給与・社保5年のよんちゃわんが説明いたします。
私の職場は小さくはありませんが、そんな会社の経理でも主担当が不在で翌日まで対応を待つということがありました。
これも経理の属人化の特徴です。
実際に経理課はもちろん私も、この記事で紹介する対策をしていたので、人の異動で困ってしまうことはありませんでしたよ。
この記事では、経理初心者でもイメージしやすいように、属人化の考え方と対策をやさしく解説します。
「今のやり方で大丈夫かな?」と少しでも感じた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
経理の属人化とは

経理の属人化とは、「この仕事は〇〇さんしか分からない」という状態のことです。
たとえば、支払いや仕訳のやり方を特定の人だけが知っていて、その人が休むと業務が止まってしまうようなケースですね。
経理は会計や簿記などの知識や専門用語が多く、数字の扱いも正確性を求められます。
そのため経理業務を引き継ぐ際には、経理に馴染みのない人にとっては難しいと感じやすく、伝える立場からは面倒くさいといったところが本音です。
その結果業務に慣れている特定の人に任されてしまい、業務内容が他の人には分からない状態になってしまいます。
「○○さん今休暇中だ、急ぎなのにどうしよう。」となってから、問題に気付くわけです。
「○○さんに任せておけば大丈夫!」っていうのも問題ありなんですね。
でも本当に属人化って良くないんでしょうか。
次ではメリットとデメリットを解説します。
属人化のメリットとデメリット
結論から言うと、経理の属人化には一時的なメリットはあるものの、長期的にはデメリットの方が大きいでしょう。
属人化とは、特定の担当者だけが業務内容や進め方を把握している状態です。
一見すると「仕事ができる人に任せているから安心」と感じるかもしれません。
しかしそれとはうらはらに、業務停止やミス、不正といったリスクが起こりやすい環境となっています。
特に経理は、会社のお金を扱い、経営判断にも関わる重要な部署です。
業務内容が担当者以外に分からないなど、あってはならないことです。
ここからは、属人化のメリットとデメリットを解説していきます。
属人化のメリット2つ
属人化のメリットは、次の2つが挙げられます。
業務がスピーディーに進む
経験豊富な担当者が一人で判断しながら業務を進めるので、確認作業が少なく、決算や支払い対応がスムーズに進むケースもあるでしょう。
特に少人数の会社では、そんな頼れる担当者がいる状況が効率的に見えることもあります。
知識と経験が蓄積されやすい
業務経験が特定の担当者に集中することで、知識と経験知が上がります。
意識の高い担当者が、自分なりに工夫しながら業務を改善している場合、高い品質を保てるでしょう。
ただし、そのノウハウが共有されていないと、組織としては成長しません。
属人化のデメリット
属人化が進むと起こる最大のデメリットは、「その人がいないと仕事が止まる」ことです。
具体的なデメリット4つ
順番に解説していきます。
業務が滞る
担当者の不在によって業務が止まりやすくなります。
たとえば「支払い処理は〇〇さんしか分からない」という状態では、その人が休むだけで対応が遅れてしまいます。
なぜなら他の人が手順を把握していないため、代わりに動けないからです。
結果として、支払い遅延や締め作業の遅れにつながり、会社全体に影響が出ることもあります。
一人に任せきりの状態は、実は会社にとって大きなリスクだと覚えておく必要があります。
業務改善しにくい
担当者の独自のやり方に偏っている場合、改善のきっかけを見つけにくくなります。
業務を共有していないと、別の視点がないため業務の流れや判断基準も見えず、「どこを直せば良くなるのか」が分からないからです。
担当者の頭の中だけにノウハウがある状態では、効率化や仕組み化の話も進みません。
その結果、非効率なやり方が長年続いてしまうこともあります。
ミスが起こりやすい
担当者が一人だけだと、ミスに気づきにくくなります。
経理では、記帳漏れや二重計上、支払い忘れなどのミスが起こりがちです。
他にチェックする人がいなければ、そのまま見過ごされてしまう可能性があります。
また、ミスの原因が分からないままだと、同じトラブルを何度も繰り返してしまいます。
不正が起こりやすい
属人化は、不正が起こりやすい環境を作ってしまいます。
誰にも業務内容をチェックされていない状態は、ミスの隠蔽や不正行為につながりかねません。
実際に、経理担当者一人に権限が集中したことで、不正事件に発展したケースもあります。
複数人で業務分担されていれば、チェック機能が働いて不正を未然に防げたでしょう。
属人化する原因

経理の属人化は、忙しさや人員体制など、現場の事情が積み重なって起こります。
経理業務は毎月やることが決まっており、「今は業務が回っているから大丈夫」と改善が後回しになりがちです。
ここではよくある属人化する原因4つを解説します。
属人化する原因4つ
マニュアルがない
マニュアルが整っていないことは、属人化の大きな原因です。
経理は日々の業務が忙しくて、「あとで作ろう」と思っているうちに、結局マニュアルを作る時間がなかったというのはありがちな話です。
その結果、業務の進め方は口頭や記憶頼りになり、引き継ぎが難しくなってしまいます。
またマニュアルがあっても更新されていなければ意味がありません。
実際のやり方と違う内容では、参考にできないからです。
誰が見ても分かるマニュアルを整えることは重要です。
ベテランに頼りすぎ
「この仕事はベテラン担当者しか分からない」という状況も、属人化になりやすい。
決算や予算管理などの重要な業務は、経験豊富なベテラン担当者に集中しがちです。
一見すると安心ですが、その知識や経験が上手く引き継がれないと、退職や異動時に大きなリスクになります。
人手が足りない
人手不足の状態では、属人化が進みやすくなります。
少人数で業務を回している経理の現場では、経験豊富な経理担当に業務が集中しがちです。
そのため他のメンバーは業務内容を把握できず、「任せきり」の状態になってしまいます。
さらに、忙しい職場では報告や共有が省略されやすく、業務の流れが見えなくなります。
少人数だからこそ情報共有する工夫をしないと、どんどん属人化が進んでいくでしょう。
従来のやり方を見直す気がない
「昔からこうしている」という無関心も危険です。
経理業務はルーティンワークが多く、これまで通りのやり方を継続しがちな仕事です。
そのため、改善や見直しが行われにくい傾向があります。
とはいえ業務内容や人の入れ替わりがある中で、適切なタイミングでやり方を確認しないのは、リスクを増やすことになります。
小さな見直しでも構いません。
「今のやり方は本当に分かりやすいか、あっているか」と考えることは大事です。
属人化を解消する方法

経理の属人化を解消していくのに大切なのは、今のやり方を見直し、仕組みとして改善していくことです。
経理初心者は、「属人化=自分には関係ない」と思いがちですが、早い段階で意識しておくことで、働きやすさも成長スピードも大きく変わります。
ここでは、現場ですぐ意識できる3つの解消方法を紹介します。
「今まで通り」を再チェック
経理業務はルーティンワークが多いので、前任者から引き継いだやり方をそのまま続けているケースも多いでしょう。
しかしそのやり方が本当に分かりやすく、誰でも対応できるとは限らないわけです。
先輩担当者の説明だけを頼りに業務をするのではなく、自分でやり方を整理してみましょう。
- 業務の流れを書き出す
- 分かりにくい部分をメモに残す
といったことでもいいんです。
業務がグッとよく見えるようになります。
つまり自分なりのマニュアルを作成してみるってことですね。
会計・経理システムの導入
会計・経理システムを導入すると、、データが一元管理され、誰でも同じ情報を確認できるようになります。
これでどの処理も誰でもできる状態になります。
また入力ルールが統一されることで、ミスの削減や作業時間の短縮にもつながります。
業務の一部外注
業務の一部を外注することで、業務内容や流れが自然と整理されます。
外注するには仕事内容を明確にする必要があるため、結果として業務の見える化や標準化が進みます。
また経理のプロが関わることで、
- 業務品質の向上
- 不正やミスの防止
といった効果も期待できます。
属人化が進まない体制を作る方法
そもそも属人化を防ぐには「日頃からの体制づくり」が何より大事。
経理業務は担当範囲が固定されやすく、気づかないうちに特定の人しか分からない仕事が増えていきます。
その状態を放置すると、急な休みや異動があっただけで業務が止まってしまいます。
そこで大切なのが、業務を定期的に見直し、誰が見ても分かる形に整えておくことです。
経理初心者でも「自分の仕事を共有する意識」を持つだけで、属人化の予防につながります。
ここでは具体的な方法を、2つの視点から解説します。
マニュアル作り
まず第一に、分かりやすいマニュアルを整えて皆で共有することです。
経理では、手順や判断基準が担当者の頭の中だけにあるのでは困ります。
そのままでは他の人が業務を引き継ぐのは困難です。
マニュアル作りといっても、最初から完璧を目指す必要はありません。
- 作業の流れを簡単に書き出す
- 注意点やミスしやすい部分をメモする
こうした小さな積み重ねで十分です。
日々の業務の中で気付いたことや重要情報をアップデートして、まずは自分用のマニュアルを作成します。
そして内容を最新の状態に保ちつつ、共用マニュアルの更新にも生かしましょう。
これで引き継ぎ問題も解消ですね。
業務の合理化
業務を合理化することも、属人化を防ぐのに有効です。
たとえば経理課員それぞれの業務状況を調査し、「誰が・何を・どれくらいの時間で」対応しているのかを整理してみましょう。
これだけでも特定の人に業務が集中している箇所や、止まりやすい工程が見えてきます。
さらに承認や確認の流れを整理すると、ムダな手間や待ち時間の削減にもつながります。
そして必要な仕組み(会計・経理システム導入など)を取り入れれば、人力に頼り過ぎない環境になります。
そうすると業務がシンプルになり、皆が業務全体を把握しやすくなるわけです。
まとめ
経理の属人化は、「この作業は〇〇さんしか分からない」という状態が増えてしまうことで起こります。
そのままにしておくと、担当者の急なお休みや退職があったときに業務が止まったり、ミスが起きやすくなったりと、思わぬトラブルにつながることも少なくありません。
経理の現場に属人化が感じられるなら、早めに業務の進め方を見直しましょう。
とはいえ、難しい対策をいきなり始める必要はなく、。
たとえば、
- 業務マニュアルを作成する(業務手順や気付きをメモに残す)
- 業務の合理化を進める(従来業務の見直し/システムや外注を必要に応じて活用)
といった工夫を徐々に進めていけば、属人化は解消されていきます。
「自分だけが分かればいい」ではなく、「誰が見ても分かる状態」を意識することが大事です。
以上ここまで読んでいただきありがとうございました。