この記事で解決できること
- 個人事業主が経理でしなければならないことは何?
- エクセルで帳簿をつける具体的な方法とポイントが知りたい。
- 経理初心者がつまづきやすい場面とその対処法が知りたい。
こんな悩みを解決します。
日商簿記3級、経理・契約5年、給与・社保5年のよんちゃわんが説明いたします。
個人事業主になったけど、経理ってどうすればいいかちょっと不安になりますよね。
帳簿や確定申告と聞くだけで、頭が痛くなりそうなのもよくわかります。
でも大丈夫です。
経理の基本を押さえれば、エクセルだけで十分管理できますよ。
この記事の前半は「個人事業主が経理ですること」を、後半では「エクセル帳簿のポイント」について解説します。
個人事業主が経理ですること

経理の仕事は、大きく3つに分けられます。
経理ですること3つ
まずは全体像を押さえて、何をすればいいかをざっくり理解しましょう。
お金の動きを記録する
毎日のお金の流れを、帳簿に記録していく作業です。
「いつ・いくら・何のために使ったか」を記録しておくことで、月末に収支を把握できます。
記録する内容は、主に売上・経費・入出金の3つです。
- 売上:お客様からもらった代金
- 経費:仕事のために使ったお金
- 入出金:口座やお財布のお金の動き
書類を整理する
領収書や請求書など、お金の動きを証明する書類を保管する作業です。
これらは「本当にこのお金を使いました」と証明するための大切な証拠です。
さらに原則7年間の保存が義務づけられています。
保存すべき書類の例
- 領収書・レシート
- 請求書(発行したもの・受け取ったもの)
- 契約書
- 通帳のコピー
確定申告する
1年間の記録をもとに、税務署へ申告・納税する作業です。
毎年2月16日〜3月15日の期間に、前年1月〜12月分の収支を申告します。
日々の記録をコツコツ続けておけば、確定申告はその集大成として自然にまとまります。
経理で使う手軽なツール2選

経理を始めるとき、最初にぶつかるのが「何を使って記録すればいいの?」という疑問です。
事業を始めたばかりの個人事業主なら、コストを抑えたいという人もいるでしょう。
そこで手軽な2つの方法を紹介します。
帳簿ノート(紙)
パソコンが苦手な方には、紙の帳簿ノートがおすすめです。
文房具店や100円ショップでも手に入る帳簿ノートは、買ってすぐに使い始められるのが最大の魅力です。
パソコンのように画面を見続ける必要がなく、手書きで直感的に記録できますよ。
ただし、デメリットもあります。
- 計算ミスが起きやすい
- 集計に時間がかかる
- 書き直しが手間になる
取引の数が少ない開業初期や、「まず経理に慣れたい」という方の練習用としては十分に活躍します。
あぁそうか、事業が上手くいきだすと取引も増えるから、帳簿つけるのも大変になりますね。
だんだん管理しきれなくなることも忘れちゃならないんです。
エクセル(パソコン)
エクセルは、コストを抑えながら効率よく帳簿管理できるツールです。
紙の帳簿と違い、数式を使えば合計や集計が自動で計算されます。
入力ミスに気づきやすく、修正も簡単というのがいいですね。
また無料テンプレートも多く公開されているので、一から作る必要もありません。
エクセルの主なメリットをまとめると、次のとおりです。
- 計算が自動でできる
- データの修正・検索が簡単
- テンプレートを使えばすぐ始められる
- 月次・年次の集計もラクにできる
「エクセルは難しそう…」と感じる人もいるかもしれませんが、帳簿用のテンプレートを使えば、入力するだけでOKです。
経費の種類がシンプルな個人事業主にはマッチするツールですよ。
エクセル帳簿のつけ方のポイント5つ

とはいえエクセルで帳簿をつけるといっても、最初は何から始めればいいか迷うものです。
ポイントを5つに絞って、順番に解説します。
無料テンプレートを利用する
一からエクセル表を作る必要はありません。
インターネット上には、個人事業主向けの帳簿テンプレートが無料で多数公開されています。
国税庁の公式サイトや大手会計ソフト会社が提供するものは、税務上の要件も満たしているため安心して使えます。
- 弥生会計 【無料】個人事業主向けの帳簿テンプレート(エクセル形式)
- マネーフォワードクラウド会計 帳票テンプレート集
- freee会計 現金出納帳をエクセルで作成する方法(無料テンプレート付き)
- 国税庁 記帳の仕方、決算書・申告書の作成について
テンプレートを選ぶときは、シンプルな数式だけで構成されたものを選びましょう。
なぜならマクロ(自動処理機能)が含まれたものは高機能ですが、パソコンの環境によっては動かなくなるリスクもあるからです。
シンプルな帳簿テンプレートから始めましょう。その方が理解も進みますから。
勘定科目を設定する
勘定科目とは、お金の出入りに付けるラベルのようなものです。
例えば支出なら、電車代は「旅費交通費」、コピー用紙代は「消耗品費」といった具合に分類します。
この分類が確定申告のときの集計に直結するため、最初にしっかり設定しておくことが大切です。
よく使う勘定科目の例は以下のとおりです。
- 売上:お客様からの収入
- 通信費:インターネット代・電話代など
- 旅費交通費:電車・バス・タクシー代など
- 消耗品費:文房具・コピー用紙など
- 地代家賃:事務所や作業スペースの家賃
一度ルールを決めたら、同じ基準で分類し続けることが最大のポイントです。
お金の動きを記録する
毎日の収入と支出を、帳簿に入力していく作業です。
記録する内容は「日付・内容・勘定科目・金額」の4つが基本です。
後ほど説明しますが、青色申告(節税メリットが大きい申告方法)では、この記録を複式簿記という方式でつける必要があります。
複式簿記とは、1つの取引を「収入側」と「支出側」の両方から記録するやり方です。
でも難しくはありません。
テンプレートを使えば入力欄が整っているので、慣れるのにそれほど時間はかからないでしょう。
週に一度、入出金の記録をする時間をとるようにしてみましょう。
そうすると負担なく続けられますから。
書類を整理する
帳簿への記録と並行して、領収書や請求書の保管も欠かせません。
これらはお金の動きを証明する大切な証拠書類です。
電子データで受け取った領収書は、データのまま保存することが義務づけられています(電子帳簿保存法)。
保管のコツは、ファイル名に日付・相手先・金額を入れておくことです。
たとえば「20260410_〇〇商店_3300」のように名前をつけると、あとから探しやすくなります。
紙の領収書は月ごとにまとめておくだけでも、確定申告のときにぐっとラクになります。
確定申告の準備をする
1年分の記録が揃ったら、確定申告書類の作成に入ります。
確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。
手間はかかりますが、節税効果の大きい青色申告を選ぶ方が断然おすすめです。
青色申告では「損益計算書」(1年間の利益の計算書)と「貸借対照表」(資産と負債の一覧表)の提出が必要です。
エクセルでしっかり記録できていれば、各項目の合計を転記するだけで完成します。
最終チェックとして、銀行口座の残高とエクセル上の残高が一致しているかを必ず確認しましょう。
1円でもズレていたら、どこかに入力漏れや二重入力がある合図です。
日々の記録を丁寧に継続すると、確定申告はスムーズにできますよ。
エクセル帳簿のつまづきポイント

帳簿をつけていると、必ずイレギュラーな場面に直面します。
次のよくある3つのつまづきポイントと、その対処法を押さえておきましょう。
経費か経費じゃないか
「これって経費になるの?」は、経理初心者が最も悩むポイントです。
経費として認められるのは、仕事に関係する支出だけです。
たとえば、取引先との打ち合わせで使ったカフェ代は経費になりますが、プライベートの友人とのランチ代は経費になりません。
判断に迷ったときは、次の問いが判断基準のひとつになります。
「この支出は、仕事のために必要だったか?」
YES→経費
NO→プライベートな支出
その時点で判断できない場合は、領収書の裏に用途をメモしておくと、あとで見返したときに判断しやすくなります。
迷うときは国税庁サイトで確認したり、税理士に尋ねてみるのもいいですね。
レシートがない
経費の支払いをしたのに、レシートをもらい忘れた場合はどうすればいいでしょうか。
レシートがない場合は、出金伝票を自分で作成することで代用できます。
出金伝票とは、日付・支払先・金額・用途を手書きでメモした書類のことです。
100円ショップや文房具店で購入できます。
出金伝票に書く内容
- 支払った日付
- 支払先の名前(店名など)
- 金額
- 何のために支払ったか(用途)
ただし、出金伝票はあくまで補助的なものです。
基本はレシートは捨てない、領収書をもらう習慣を徹底します。
支払いのたびに「領収書をください!」と言うのを忘れずに。
領収書ください!
現金とクレジットカードの混在
現金とクレジットカードを両方使っていると、帳簿が複雑になりがちです。
混乱しやすい理由は、支払いのタイミングと引き落としのタイミングがズレるからです。
たとえば、3月に使ったクレジットカードの引き落としが4月になる場合、記録する日付をどうすればいいか迷いますよね。
この場合のルールはシンプルです。
- 現金払い:支払った日
- クレジットカード払い:カードを使った日(引き落とし日ではない)
カードの明細は月ごとに必ず確認し、エクセルへの入力と照合する習慣をつけましょう。
利用日ベースで記録を統一することで、帳簿のズレを防げます。
個人事業主が知っておくべき専門知識

自分で帳簿をつけて確定申告をするには、簿記と税金の基礎知識欠かせません。
とはいえ完璧である必要はありません。
基本を押さえるだけで経理がぐっとラクになります。
簿記
簿記とは、お金の出入りを記録するためのルールのことです。
家計簿のように「収入と支出を書くだけ」ではなく、1つの取引を「借方(お金の使い道)」と「貸方(お金の出所)」の両側から記録するのが簿記の基本です。
これを複式簿記といいます。
青色申告で最大65万円の控除を受けるには、この複式簿記での記帳が必要です。
決して難しいことではなく、日商簿記3級レベルの知識があれば十分対応できます。
以下のような基本用語を覚えるところから始めていいんです。
まず覚えたい簿記の基本用語
- 勘定科目:お金の種類を分類するラベル(例:通信費・消耗品費)
- 借方・貸方:取引を2つの側面から記録する欄
- 仕訳:1つの取引を借方と貸方に分けて記録すること
これらは実際に帳簿をつけながら、少しずつ身につけていきましょう。
帳簿の基本知識
帳簿には種類があり、申告方法によって作るべき帳簿が変わります。
帳簿は大きく「主要簿」と「補助簿」の2種類に分けられます。
主要簿とは、すべての取引を記録する帳簿の柱となるものです。
青色申告の場合は、主要簿の作成が必要になります。
補助簿は、主要簿の内容を補足するための帳簿です。
現金の動きを記録する「現金出納帳」や、売上の詳細を記録する「売上帳」などが代表的なところ。
申告方法と帳簿の関係は、次のように整理できます。
申告方法と必要な帳簿
- 白色申告・青色申告(10万円控除):補助簿のみでOK
- 青色申告(65万円控除):主要簿+補助簿が必要
また、作成した帳簿は原則7年間の保存が義務づけられています。
保存期間に迷ったときは、7年間とっておけば間違いありません。
税金
個人事業主が特に理解しておきたい税金は、所得税・住民税・消費税の3つです。
経費をきちんと記録しておくことで所得を正確に計算でき、税金の払い過ぎも防げます。
逆に記録が曖昧だと、本来より多く税金を払ってしまうことも。
税金のルールは毎年変わることがあるため、国税庁のサイトや税理士への相談を活用しながら、最新の情報をチェックする習慣をつけておくと安心です。
まとめ:経理はエクセルで管理できる
個人事業主の経理は、難しく考えすぎず、まずは全体像を把握して、一つひとつ取り組んでいきましょう。
個人事業主が経理ですることは次の3つです。
- 毎日の売上・経費を帳簿に記録する
- 領収書・請求書などの書類を整理・保管する
- 1年分の記録をまとめて確定申告する
記録にはエクセルの無料テンプレートを活用すれば、一から作る手間もかかりません。
大切なのは、毎日少しずつ記録を続ける習慣です。
溜め込むほど後が大変になるので、こまめに入力するようにしましょう。
簿記や税金の知識は、完璧でなくても大丈夫です。
帳簿をつけながら少しずつ身につけていけば十分です。
経理はエクセルで十分管理できますよ。
以上ここまで読んでいただきありがとうございました。