この記事で解決できること
- 一人経理を辞めたい理由が知りたい。
- 辞める前に確認するべきことはありますか。
- 一人経理にならない求人選びのコツが知りたい。
こんな悩みを解決します。
日商簿記3級、経理・契約5年、給与・社保5年のよんちゃわんが説明いたします。
「一人経理を辞めたい」と思っていませんか?
一人経理は幅広い仕事を経験できる一方で、負担や責任が一人に集中しやすい働き方です。
一人経理の何が問題なんでしょう。
「自分が一人経理に向いていないだけ?」と悩んでいる人も、まずは今の状況を整理してみましょう。
記事の前半では「一人経理を辞めたい理由」について、後半では「一人経理からの転職先の選び方」について解説します。
一人経理を辞めたい理由7つ

一人経理は経理業務を一人で担当するため、仕事量だけでなく責任も大きくなります。
ここでは、一人経理を辞めたいと感じやすい7つの場面を紹介します。
業務量が多すぎる
一人経理では、担当する業務が多くなりやすい傾向があります。
- 日々の仕訳
- 月次決算
- 年次決算
- 請求書・支払い処理...
会社によっては、さらに給与計算や社会保険の手続きまで。
経理担当が複数人いる会社では、これらの業務は分担されます。
ところが一人経理では、こうした仕事を一人で処理することになります。
分からないことを相談しにくい
経理初心者にとって、分からないことを相談できる環境は重要です。
一人経理では、すぐに質問できる先輩がいない場合があります。
たとえば、初めて見る取引の仕訳で迷ったとします。
複数人の経理部なら、近くの先輩に確認できるかもしれません。
ところが一人経理では、自分で資料を調べたり、税理士へ確認したりしなければなりません。
調べても判断できない場合は、処理を進めることも難しくなります。
近くに相談できる人がいない環境は、ただ一人の経理担当に負担が集中します。
休暇を取りにくい
一人経理では、自分が休んだときの業務を代わりに対応できる人がいなければ、休暇を取りにくく感じるでしょう。
たとえば、給与支払いや決済などには期限があります。
経理担当が休みだからと言って、会社の支払い期限が延びるわけではありません。
また休暇中の支払い業務がある場合、休む前にすべての処理を終わらせる必要が出てくるかもしれません。
このような状態が続くと、有給休暇を申請することにも気を使います。
ミスできないプレッシャーがある
経理は会社のお金を扱うため、正確な処理が求められます。
一人経理では、その確認まで一人で行わなければならない。
たとえば、振込金額を入力するときに数字を間違えたとします。
そのまま処理が進めば、会社のお金に影響する可能性がありますね。
にもかかわらず、ダブルチェックや承認の仕組みがつくれない。
ダブルチェックの仕組みがあれば、ヒューマンエラーのリスクは減らせます。
もちろん、誰でもミスをする可能性はありますが、ミスの発見から修正まで一人でやるのは負担が大きいです。
経理以外の仕事まで任される
一人経理では、経理以外の仕事まで担当することがあります。
特に会社の規模が小さい場合は、業務の担当範囲が明確でないこともあります。
たとえば、
- 給与計算
- 社会保険の手続き
- 電話対応
- 備品管理など
本来の経理業務に加えて、庶務や人事の仕事まで加われば、優先順位を決めるだけでも大変です。
業務が自分しか分からない
一人経理では、仕事の進め方を自分しか把握していない状態(業務の属人化)になりやすいです。
なぜなら一人経理で業務が回っている場合、他の社員はだれも経理業務に関心を持たないからです。
たとえば、支払い処理が必要な場合、経理担当が急に休むと、他の社員はどこから手を付ければよいか分かりません。
そのため、休暇中でも仕事が気になって、休んだ気がしません。
将来に不安を感じる
一人経理を続けていると、将来のキャリアに不安を感じる人もいます。
「今の会社を辞めたら、自分の経験は通用するのか」と考えるためです。
一人経理では、幅広い業務を経験できる可能性がありますが、経験できない業務もあります。
たとえば、連結決算や開示業務は経験できない場合があります。
これらの業務は大きな会社にみられ、経理部門も整っています。※連結決算とは、親会社と子会社の決算をまとめる処理です。
だからといって、一人経理の経験が強みにならないわけではありませんが、将来に不安を感じる要因にはなりそうです。
一人経理の向き・不向き
一人経理は、幅広い仕事を自分で進める場面が多い特徴があります。
「一人で考えて動くのが好きか」「人と協力して進めたいか」でも向き不向きが変わります。
まとめると以下のようになります。
| 比較ポイント | 一人経理に向いている人 | 一人経理に向いていない人 |
|---|---|---|
| 仕事の進め方 | 指示を待たず、自分で考えて行動できる | 指示を受けてから仕事を進めたい |
| 分からないことへの対応 | 自分で調べて解決することが苦にならない | 分からないことは人に教えてもらいたい |
| 業務の幅 | 幅広い業務を経験することを楽しめる | 一つの業務を深く掘り下げたい |
| 経営層との関わり | 経営者と直接話すことが好き | 経営者とのやり取りより、同僚と協力したい |
| 将来のキャリア | 独立や経営層など、数年後の目標がある | 現在の仕事を安定して続けたい |
| 働き方 | ある程度、自分のペースで仕事を管理したい | 周囲と協力しながら仕事を進めたい |
| 仕事と生活のバランス | 仕事の幅や経験を増やすことを重視する | 残業の少なさや休暇の取りやすさを重視する |
経理の向き・不向きの判断については、こちらの記事「初めての経理向いていない気がしても大丈夫。判断はゆっくりで問題なし」も読んでみてください。
一人経理をやるコツ

一人経理は、すべての仕事を自分だけで抱え込まないことが重要です。
分からないことを相談したり、業務を整理したりするだけでも負担は変わります。
ここでは、一人経理で無理をしすぎないための3つの方法を紹介します。
顧問税理士に相談する
一人経理で分からないことが出てきたら、顧問税理士に相談しましょう。
税理士は税務だけでなく、経理処理について相談できます。
たとえば、初めて処理する取引があり、仕分けに迷ったら、
自己判断で処理せず税理士に確認してみましょう。
相談するときは、何が分からないのかを整理しておくのがポイントです。
- どの取引について迷っているか
- 自分ではどう考えたか
- どこで判断できなくなったか
この3点を伝えると、状況を共有しやすくなります。
一人経理だからといって、すべてを一人で解決する必要はありません。
利用できるものは利用しましょう。
実務をしながら業務マニュアル作成
一人経理で潰れてしまわないためには、業務を自分だけで抱えない工夫も必要です。
その方法の一つが、普段の仕事をマニュアルに残すことです。
たとえば、毎月の振込業務なら、次のような内容を記録します。
- いつ作業するか
- どのシステムを使うか
- 何を確認するか
- 誰の承認が必要か
- 完了後に何を保存するか
とはいえ最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。
作業をするたびに、気づいたことを少しずつ追加していけば大丈夫。
マニュアルがあれば、休暇や急な欠勤のときにも引き継ぎやすくなります。
「自分がいなくても仕事が進む状態」を目指すことが、負担を減らすポイントです。
次のキャリアの計画を立てる
一人経理を続けるなら、今後どんな経理を目指すのか考えておきましょう。
目の前の仕事だけに追われると、将来について考える時間がなくなります。
まずは、現在できる業務を書き出してみてください。
- 仕訳や入出金管理
- 請求書や支払いの処理
- 月次決算
- 年次決算
- 給与計算
- 税理士とのやり取り
そのうえで、「次は何を経験したいか」を考えます。
数年後の転職を考える場合、必要な経験や資格を逆算して挑戦するのもよし。
一人経理で疲れてしまわないよう、業務ペースとキャリアの両方を管理しましょう。
一人経理を辞める前に確認すること
一人経理を辞めたいと思ったら、まず何が負担になっているのか整理しましょう。
経理の仕事そのものが合わない場合と、会社の体制が原因の場合では対応が異なります。
原因を分けて考えると、退職以外の選択肢も見つけやすくなります。
辞めたい原因は経理の仕事
経理の仕事そのものに苦手意識があるなら、経理以外の仕事を求めるのがいいかと。
なぜなら会社を変えても、経理である限り数字を扱う仕事は続くからです。
たとえば、仕訳や数字の確認がどうしても苦手な場合、一人経理から複数人の経理部へ移っても、同じ作業は発生します。
部署異動で状況改善を期待できますが、だめなら転職も選択肢に入ります。
辞めたい原因は会社の体制
経理の仕事は好きなのに辞めたいなら、会社の体制を確認してみましょう。
- 一人で担当することが嫌
- 一人に責任が集中していることが嫌
こんな場合です。
この場合の対応策として、会社に経理担当の増員を相談する、あるいは部署異動を相談する方法もあります。
それでも状況が変わらないなら、転職も選択肢に入ります。
もちろん次の職場では、経理担当者の人数や業務範囲を確認することが大切ですが。
一人経理を辞めるとどうなる?
一人経理を辞めると、今の負担から離れられる一方で、新しい環境に慣れる必要があります。
まずは転職活動ですね。
求人を探して応募し、面接を受けるなど、仕事をしながら進めるには時間もかかります。
希望する条件の求人がすぐ見つかるといいんですけど。
転職先が決まれば、仕事内容や職場の人間関係も変わります。
これまで一人で進めていた業務を、複数人で分担する職場が希望ですよね。
職場環境にあわせて、新しいルールや会計システムを覚える必要があります。
転職する時に注意したい求人情報

一人経理を辞めて転職するなら、次の職場でも同じ悩みを抱えないよう求人情報を細かく確認する必要があります。
特に求人票だけでは分からない部分は、面接で質問することが大切です。
面接では次の項目を確認しておくと安心です。
- 経理担当者は何人いるか
- 経理と総務の業務範囲はどこまでか
- 月末や決算期の業務量はどの程度か
- 会計システムや業務効率化が進んでいるか
- 休暇中の経理業務を誰が担当するか
- 税理士など外部専門家と連携しているか
たとえば「経理担当は何人ですか?」だけでなく、「業務はどのように分担していますか?」まで聞いてもいいのでは。
一人経理を経験したからこそ、入社後に失敗したと思わないためです。
経理担当が複数人いたら安心じゃないんですか?
複数人いても、実際はほとんどの業務を一人が担当していて、他の人は補助的な入力や書類整理だけだと、転職の意味なくない?
一人経理で得たものを活かそう
一人経理には大変な面がありますが、幅広い業務を担当できる環境だからこそ身につく力もあります。
転職を考えるときは、「一人で大変だった」という経験だけで終わらせず、できるようになったことを整理してみましょう。
たとえば、次のような経験はアピール材料になります。
- 経理業務を幅広く経験している
- 自分で仕事の優先順位を決めて管理できる
- 他部署と調整しながら仕事を進めた
- 業務の進め方を見直した経験がある
仕事に積極的に取り組んできた姿勢が伝わりますね。
一人経理で担当してきた仕事を、一つずつ書き出してみましょう。
経験を整理すれば、自分では当たり前だと思っていた業務も、次の職場で活かせる強みに変えられます。
一人経理を辞めたいときの転職先3選
一人経理を辞めたいなら、次の職場で同じ悩みを繰り返さないことが大切です。
そこで求人を探すときは、給与や勤務地だけでなく、経理の人数や業務範囲にも注目するのが重要です。
ここでは一人経理からの転職先として検討したい3つを紹介します。
経理担当が複数人
一人経理から離れたいなら、経理担当者が複数いる求人を優先して探すのは必須です。
なぜなら業務を分担できれば、一人に仕事が集中する状況を避けやすくなるからです。
経理担当が複数人いれば、担当業務が違っても、分からないことがあれば、社内で確認できる可能性があります。
また、休暇を取るときも互いにサポートし合えるので、安心して休むことができます。
できれば面接では、どのように業務分担しているかまで確認しておくのがよさそうです。業務分担の偏りが確認できます。
経理部門が整っている大企業
一人経理の負担を減らしたいなら、経理部門の体制が整った会社も候補です。
その点では会社の規模が大きいと、経理業務を細かく分担しているため、一人に業務が集中することは考えにくい。
また研修や業務マニュアルが用意されている会社もあります。
とはいえ大企業なら必ず働きやすいとは限りません。
やはり求人票だけで判断せず、実際の業務範囲や担当人数を確認しましょう。
経理の専門性を高められる会社
将来のキャリアに不安があるなら、専門的な経理業務を経験できる会社も選択肢の一つ。
今の職場では経験できない仕事に挑戦すると、将来の選択肢を広げられます。
今の仕事で足りない経験を洗い出して、その経験ができそうな転職先を探してみましょう。
なりたい経理に必要な経験ができる求人に挑戦すると、将来につながりやすくなります。
まとめ:一人経理を辞めたい時はまず原因を整理しよう
一人経理を辞めたいと感じたからといって、すぐに退職を決める必要はありません。
まずは、何が負担になっているのかを整理してみましょう。
経理の仕事自体が合わないなら、部署異動や別の職種への転職も選択肢の一つです。
一方、仕事は好きでも一人で担当する体制がつらいなら、経理担当者が複数いる会社への転職を検討できます。
一人経理で身につけた幅広い経験は、転職活動で活かせる強みです。
ただし転職する場合は、同じ悩みを繰り返さないことが大切です。
面接で確認したいこと
- 経理担当者の人数
- 実際の業務範囲
- 休暇中のサポート体制
最後にもう一度言いますが、何が負担になっているのかを整理してから、次の対応を検討しましょう。
急ぐ必要はないですよ。
以上ここまで読んでいただきありがとうございました。