この記事で解決できること
- 経理って誰でもできる仕事なの?
- 経理初心者でも取り組みやすい業務ってどんなのがありますか?
- 経理未経験者が身に着けるべきスキルはある?
こんな悩みを解決します。
日商簿記3級、経理・契約5年、給与・社保5年のよんちゃわんが説明いたします。
「経理って未経験でもできるのかな…」「専門知識がなくて大丈夫?」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は私も未経験で経理を始めました。
数字を扱う仕事というだけで、なんとなくハードルが高く感じてしまいますよね。
ですが実際には、未経験からスタートできる業務も数多くあります。
むしろ普段の経理業務量はそれらの業務が一番多いと言ってもいいくらいです。
この記事の前半では「経理は誰にでもできる仕事なのか?」について、後半では「経理初心者に必要なスキル」について解説します。
経理は誰でもできる仕事?

「経理」と聞くと、専門知識が必要で難しそうと感じる人も多いのでは。
実際のところ、経理は未経験からでも始められる仕事です。
ただし、続けていくには条件もあります。
未経験からでも始められる
経理は、簿記や会計の資格がなくても始められる仕事です。
なぜなら未経験者でもできるデータ入力や書類整理などの、マニュアルを見ながらこなせる業務からスタートすることがあるからです。
多くの会社では、入社後に実際の実務を通して業務を覚えていくスタイルを取っています。
誰でもできるが条件付き
経理が未経験からでも始められるとはいえ、「誰でもできる」というのには条件がつきます。
それは、継続して学ぶ姿勢を持てるかどうかです。
経理の仕事は、最初はマニュアル通りにこなせる決まったパターンの業務が中心です。
しかし慣れてくると、次第に自分で判断しなければならない場面が出てきます。
例えば、以下のような場面です。
- 経費の勘定科目をどこに振り分けるか判断する
- イレギュラーな取引の処理方法を考える
- ミスやトラブルが起きたときの対応を検討する
こうした場面では、簿記の基礎知識や過去の経験がものを言います。
つまり「誰でも始められる」ものの、「誰でも続けられる」わけではないというのが実情です。
経理の誰でもできそうな業務5つ
経理の仕事の中には、未経験からでも取り組みやすい業務があります。
ここでは経理初心者でも比較的スムーズにこなせる業務を5つ、表にまとめました。
| 業務の種類 | 業務の内容 |
|---|---|
| データ入力 | 伝票や領収書の内容をシステムに入力する作業 |
| 書類の整理 | 領収書や請求書を種類・日付ごとに分類する作業 |
| 入出金の確認 | 通帳やシステム上で入金・出金を照合する作業 |
| 請求書発行 | 取引先へ送る請求書をフォーマットに沿って作成 |
| 決まった仕分け入力 | ルール化された取引を会計ソフトに仕訳登録 |
これらは、マニュアルや過去の記録を見ながら進められる業務が多いのが特徴です。
最初のうちは「言われた通りに正確にこなす」ことを意識すれば、十分に対応できるでしょう。
経理が100%誰でもできるわけではない理由
経理には、データ入力のように誰でも取り組みやすい業務がある一方で、専門性を求められる場面も多くあります。
経理が完全に「誰でもできる」とは言い切れない理由を4つ解説します。
数字を正確に扱う必要がある
経理の仕事では、1円のずれも許されない場面が多くあります。
会社のお金の流れを記録する以上、正確性は無視できません。
例えば請求書の金額を1桁間違えて入力してしまうと、取引先とのトラブルにつながる可能性があります。
また決算書類に誤りがあれば、会社の信用問題にも発展しかねません。
こうしたリスクがあるため、経理には慎重さと集中力が求められます。
だいたいの感覚で数字を扱う仕事ではないという点は、初心者のうちにしっかり理解しておくべきです。
慣れてきても、確認作業を怠らない姿勢が大切になります。
簿記の知識が必要
簿記の知識を欠いたままでは、経理として業務の幅を広げていくことはできません。
簿記とは、お金の出入りを一定のルールに沿って記録する技術のこと。
最初のうちは、マニュアルに沿ってデータ入力や書類整理をこなすだけで何とかなります。
しかし、仕訳(取引を勘定科目ごとに分類する作業)や決算業務など、専門性の高い仕事を任されるようになると話は変わってきます。
簿記の基礎知識がなければ、なぜその処理をするのか理解できないまま作業を進めることになりかねません。
全く知識がない状態で経理業務全般をこなすのは、現実的には難しいでしょう。
自分で判断をする場合がある
経理の仕事に慣れてくると、マニュアル通りにいかない場面に直面することが増えていきます。
例えば、これまでにない種類の経費が発生したとき、どの勘定科目に振り分けるべきか自分で考える必要があります。
また、取引先からのイレギュラーな請求への対応など、判断を求められるケースも少なくありません。
こうした場面では、これまでの経験や簿記の知識が頼りになります。
思考停止で定型業務をこなすだけでは対応しきれない時期が、いずれ訪れます。
だからこそ、日々の業務を通じて知識と経験を積み重ねていく姿勢が重要になるんです。
会社によって業務内容が違う
経理の仕事内容は、会社の規模や業種によって異なります。
この違いも、経理を一括りに「誰でもできる」と言えない理由の一つです。
大企業であれば、経理業務が細分化されていて、一人が担当する範囲は限定的なことが多いです。
一方、中小企業やベンチャー企業では、一人の経理担当者が経費精算から決算業務まで幅広くこなすケースもあります。
- 大企業:複数人で業務分担する
- 中小企業:幅広い業務を一人で担当する場合もある
このように、働く環境によって求められるスキルや業務範囲が変わる点は、経理が誰でもできるとは言いきれない理由になります。
経理に向いている人の特徴
ここまで読んで、自分が経理に向いているのか考えてしまう人もいるかもしれません。
そこで、経理に向いている人の特徴を表にまとめました。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 数字に嫌悪感がない | 細かい数字を確認する機会が多いため |
| 新しいことを学ぶ姿勢がある | 分からない事を自分で調べたり質問できる |
| 繰り返し細かい作業が苦にならない | 毎月発生する定型業務をこなす場面が多い |
| 人と話すのが苦手でない | 他部署への確認や取引先とのやり取りがある |
上記すべてに当てはまらなければ、経理ができないわけではありません。
特に「学ぶ姿勢」さえあれば、実務をしながら成長していけます。
経理初心者が身に着けたいスキル4つ

経理として長く活躍していくためには、いくつかのスキルが必要です。
ここでは、経理初心者がまず押さえておきたいスキルを4つご紹介します。
簿記の知識
経理の仕事を理解するうえで、簿記の知識は基本です。
簿記の技術で、会社のお金の動きを記録・整理するからです。
簿記の知識がないままでは、なぜその処理をするのか分からず、作業の意味を理解しないまま進めることになりがちです。
逆に簿記の基礎が身についていれば、仕訳の意味や決算の流れが見えるようになります。
そこで簿記3級程度の知識が一つの目安になります。
テキストや通信講座を使えば、独学でも十分に習得できるので、業務の傍ら少しずつ学んでいく方法で、着実に知識を積み上げていきましょう。
エクセル操作
経理の仕事では、エクセルを使う場面が非常に多いです。
エクセルはデータの集計や表の作成など、日常的に触れるツール。
例えば以下のような機能はよく使います。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| SUM関数 | 数値の合計を自動で計算 |
| VLOOKUP関数 | 別表から必要なデータを検索・抽出 |
| ピボットテーブル | 大量のデータを集計・分析 |
これらの機能を使いこなせると、手作業でのミスを減らせるだけでなく、業務のスピードも大きく上がります。
業務の中で少しずつ覚えていくと、無理なく無理なく身に着けられます。
会計ソフト操作
経理業務では、会計ソフト使います。
会計ソフトとは、仕訳の入力や帳簿の作成を効率化するためのシステムのこと。
会社によって導入しているソフトは異なるため、転職先や就職先で新たに操作を覚えることになります。
最初は戸惑うかもしれませんが、多くの会計ソフトは直感的に操作できるよう作られています。
トラブルがあった時、マニュアルをみながら対応できる程度にはなっておきたい。
マニュアルを見ながら実際に触れていくうちに、自然と慣れていきますよ。
コミュニケーション力
経理は黙ってパソコンに向かっているだけではありません。
実はコミュニケーションが必須の仕事です。
例えば、経費精算の際に他部署へ内容確認をしたり、取引先へ請求内容の問い合わせをしたりする場面があります。
また、上司や先輩に判断を仰ぐ機会も少なくありません。
- 他部署への確認・依頼
- 取引先とのやり取り
- 上司・先輩への相談や報告
業務をスムーズに進められるように、コミュニケーション力は必要なスキルです。
コミュニケーション力についてはこちらの記事「経理にコミュニケーション能力は必要?対話ゼロじゃダメな理由3つ」も読んでみてください。
「経理は誰でもできる」の真実(実体験より)
ここまで解説してきた内容を踏まえて、私の実体験から少しお話しします。
まず前提として、私は公益財団法人の経理を5年経験しました。
公益財団法人は営利企業とは異なり、売り上げや利益を追いかけるプレッシャーはほとんどありません。
重要なのは正しく予算を執行すること。
そして会計検査クリアは超重要です。
さて経理を始めたきっかけは社内の異動です。
意にそぐわない異動でしたが、決まっちゃったので仕方ない。やるしかありませんでした。
未経験者の私の仕事は定型業務でした。
- 仕訳入力
- 入金管理(毎月入金報告)
- 未収金報告(年度末のみ)
- 請求書発行
- 未払金処理
もちろん上記の作業は、エクセルや会計システムを使います。
「マニュアルがあるので、未経験者でも問題なくこなせます。」
とは経理経験のある人の言うセリフです。専門用語がふんだんに登場するマニュアルなんて、初心者には理解できません。
当時一番負担だったのは入力業務で、残業の毎日でした。
業務に慣れてきても残業は続いたので、残業の理由は業務量の多さだということは明らかでした。
後に業務量を調整してもらうのに成功して、心理的にも時間的にも余裕ができたので簿記の勉強を始めました。
簿記の知識がつくと、今まで扱っていた仕分け作業が違って見える。内容を理解してすることの楽しさと安心を実感しましたね。マニュアルも分かる。
忙しくない時期は、希望すれば公益法人会計に関するセミナーはもちろん、業務に資するセミナーには参加できました。
学ぶ意欲のある人には支援してくれる環境ではありましたね。
最後に5年経験してどうだったかということですが、やることは特に変わりません。
担当業務も大きな入れ替わりはありません。
その理由は単純に専門知識の差ではないかと感じました。
例えば簿記3級の人より、簿記2級で実務経験のある人の方が上流の業務を担当しますよね。
実際はこんな感じです。
経理ができると得られるメリット

ところで経理業務に就くと得られるメリットもあります。
ここでは代表的な2つのメリットをご紹介します。
ワークライフバランスが良い
経理は、プライベートと両立しやすい仕事として知られています。
なぜなら経理業務は、月次処理や決算のように繁忙期が決まっている他は、比較的落ち着いて働けるからです。
繁忙期以外は定型業務が中心になるので、業務に慣れてくれば仕事の進め方もコントロールでき残業も少なくなるでしょう。
もちろん休暇も取りやすくなります。
- 繁忙期:月末・四半期末・決算期など
- 閑散期:比較的落ち着いて業務を進められる時期
もちろん会社によって差はありますが、メリハリをつけて働きやすいと言えるでしょう。
ワークライフバランスについてはこちらの記事「経理がワークライフバランスがいい理由2つ|理想の経理の探し方も」も是非読んでみてください。
自分のお金の管理ができる
経理の知識があると、会社のお金の流れを扱ううちに、家計管理にも応用できる視点が身についていきます。
例えば簿記を学ぶと、収入と支出のバランスを把握する力が自然と養われます。
家計簿をつける際にも、何にいくら使っているのか整理しやすくなるでしょう。
また、確定申告や税金の仕組みについても理解が深まり、副業や資産形成を考える際の土台にもなります。
- 家計の収支バランスを読める
- 確定申告ができる
- 税の仕組みが分かる
このように経理のスキルは、自分自身の生活を管理するのにも活かせるのが大きな魅力です。
まとめ:経理は誰でも始められるけど継続は簡単ではない
ここまで、経理の仕事内容や必要なスキル、実体験を交えて解説してきました。
経理は、データ入力や書類整理といった業務から始められるため、未経験からでもチャレンジしやすい仕事です。
一方で、簿記の知識や判断力が求められる場面も多く、誰でもできるほどハードルは低くないというのが実情です。
大切なのは、学びながら実務経験を積み、少しずつ成長していく姿勢です。
未経験から経理を始める人は、焦らず一歩ずつスキルを積み重ねていきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。